************************************
【 コンサルタントのインサイト 】
本シリーズは、Regrit Partnersに所属するコンサルタントが過去に
携わったプロジェクトの経験を横断的に俯瞰し、個別ソリューション
や産業に関する独自のインサイトを発信する記事です
************************************

株式会社Regrit Partners
Associate Director / Operation
兵頭 卓

目次


1.コンサルティングサービスの一般的ニーズと背景

国家・企業・組織・個人、それぞれの役割や成すべきことを実現する過程において、現状と目指すゴールのギャップで定義される問題と、そのギャップを解消しステップアップするための課題は必ず存在する。
そして、その課題を推進するために個別の目的・役割を担う部門やチームを設け定常業務を遂行するが、多くの場合、スコープやリソースの観点で定常の範疇を超えた大きな課題が別途発生する。その結果、その課題を特定領域における問題と再設定し、課題解決のためのプロジェクト型組織(チーム)を組成する。そして、既存部門とは別の枠組みとして独自の目的・体制・役割・コミュニケーションルートに沿って意思決定を積み重ね、ゴールに向かって邁進する。

ただ、そのプロジェクト推進過程において、前提の制約条件や内外の環境の変化によって、以下のような点が障壁となるケースが少なくない。

課題1.リソースの不足

   ・ ヒト    : 人員・工数、マインド・モチベーション
   ・ モノ    : システムなどの仕組みやツール・テンプレート
   ・ カネ    : 予算、時間
   ・ ジョウホウ : 知見・ナレッジ、社内外のネットワーク

課題2.プロジェクト推進に向けた専門性・総合力不足

   ・ 情報収集・整理
      事例などの外部情報や各部門の業務詳細や課題などの内部情報の収集と
      それらの構造的整理

   ・ 情報分析・施策検討
      各領域の構造化された情報に基づいた課題の分析と解決施策の洗い出し、
      ならびに効果、難易度、コスト、期間等を踏まえた優先度設定

   ・ 計画立案
      目的達成に向けたロードマップやステップ計画、
      詳細な実行計画の立案と推進・調整に向けたタスク設計

課題3.プロジェクト全体のマネジメント徹底不足

   ・ リーダーシップ
      効率的かつ効果的なプロジェクト推進に向けた指針の提示と意思決定、
      ならびにそれに向けたチーム内外のモチベート・ファシリテーションや利害調整

   ・ 周知と巻き込み
      経営層や他部門への報告や決裁などの各種依頼、必要に応じて社外への発信と
      アライアンスなどの体制構築

   ・ 各種管理
      進捗や課題・リスクの管理と対策の検討と実行支援、メンバーの稼働やモチベーション、
      その他リソース管理

2.伴走によるプロジェクト推進と行動変容

プロジェクト型といえども業務推進する上では既存部門における役割と類似の要素はもちろんあり、その文脈を踏まえて例えると以下のような3つのポジション・特性で切り分けることができる。これらを使い分けながらプロジェクトやそのメンバーに貢献することが重要と考えている。

a、同僚・仲間として

   ・ 工数や行動量の補填
   ・ 人間的魅力やコミュニケーション能力による共創的共感とチーム内外連携強化ならびにモチベーション向上
   ・ 心理的安全性の発信型実践 

b、先輩・模範として

   ・ 専門性・スキルの充足を踏まえた計画やタスクの検討精度や成果物品質の向上
   ・ 迅速かつ途中で思考・実行を放棄しないPDCAの実践

c、上司・参謀として

   ・ ファシリテーション能力に支持されたリーダーシップの発揮、プロジェクトの牽引
   ・ 適切な頻度と内容の周知・報告活動によるトップダウン・ボトムアップ両側面からの推進強化
   ・ 計画立案や課題・リスク管理とそれら運用の定着化、チーム横断的な調整を介した解決の円滑化
   ・ 心理的安全性の受信型実践

これら3つの側面で継続的かつ精度高く価値提供し、最終的にはクライアント企業様のメンバーで自律的に推進できるようにするには、伴走型であることが重要であると考える。なぜならば、しばしば各企業の制約条件にもなってしまう風土や制度などを理解した上で、プロジェクト推進に向けた施策立案、コミュニケーション、管理を実施し、共に乗り越え、同時にそれら制約条件の見直すべき点を明らかにして解決に導いていく必要があるためである。加えて、この活動過程で支援者たるコンサルタント自身も継続的なマインドやスキルの醸成を重ねていかねば、提供できる価値は漸次的に希薄化していくことを認識しておく必要がある。

このプロジェクト推進過程でのマインド・カルチャー醸成と自律型推進につなげる行動の変容に関するサイクルを整理すると、以下のイメージのように考えられる。価値観(Value)とそれに基づいた姿勢・常識観(Mind)、それを実践するために経験を積み、結果として身に着けていく技術・ノウハウ(Skill)、そしてそれらに支えられる総体的な言動(Behavior)という現象の4要素で構成される。
これらに対して、伴走者たるリグリットパートナーズメンバーがクライアント企業様のプロジェクトメンバーと行動を共にする過程で、活動の障壁となっている暗黙的に浸透しているカルチャー(風土・慣習・制度)を理解しながら、コミュニケーション・人材や部門の巻き込み・会議体設計・報告メッセージングの工夫を積み重ねていく。結果として、従来では諦めていた、思い至らなかった言動をプロジェクトメンバーが段階的に学び、自身で検討・発信できるようになっていく。これが伴走型コンサルティングサービスによる、継続的マインド変化に支えられた発言・行動変容という重要なアウトプットである。

3.伴走に向けた意識とVISIONの位置づけ

問題解決に向けて課題を設定、推進していき、その過程で多くのアウトプットを作成すると同時に、それだけに留まらず関係メンバーのマインド・行動の変容も重要なアウトプットであると考え取り組む。これを個々人の意識のみで実践し続けることは、単純な負荷や外圧などの観点で極めて難しいだろう。
そこでリグリットパートナーズでは、VISIONとしてCxO輩出ファームとなっていく、そしてそのために”個の能力を磨く”重要性を謳っている。

ここでいう"個"の対象は、我々リグリットパートナーズのコンサルタントや協業先メンバーに留まらず、クライアント企業様のプロジェクトメンバーやその関係者もしかるべきであると考えている。その先には、所属部門・企業や業界、地域経済への貢献がある。そこに資する活動の根底は人材であると考えており、我々はそこにも貢献し続けたいと強く願っている。この志を共にするメンバーがリグリットパートナーズという組織を形作ることで相互に気づきや刺激を与え続け、伴走型の意義を明確に理解し、体現し続けている。
是非、皆様のプロジェクトの貫徹と自律型推進につながる取組み、ひいてはマインド・カルチャーの刷新につながる変革をご一緒させてほしい。

Contact

当社のサービスや採用に関するお問い合わせはこちらから

Contact form